仙台市体位データについて
仙台市体位データについて
児童・生徒の身長・体重に関する知見は予防医学の見地からも重要と考えられます。身体状態を正確に評価することが、健康状態評価のための必須条件であり、特に成長途上にある子どもの場合には、身体の発育・発達状態の評価が健康状態把握の基本的条件ともなるからです(マリーナRM、ブシャールC)。また、肥満・やせ、巨人・小人症など、体型に現れる疾患のスクリーニングに必要な情報ともなっています(学校保健統計調査)。
学校保健統計調査. 文部科学省
仙台市では市立の全小中学校の小学6年生と中学3年生を対象に全数調査で身長・体重を測定してきました。この調査は、東北大学医学部衛生学教室近藤正二教授によって、1934年(昭和9年)から小学6年生を対象に始められています。1952年(昭和27年)から中学3年生も対象となっています。2003年(平成15年)まで10月に測定された記録が蓄積されてきました。これらの解析結果については、毎年仙台市に報告等を行っております。
また、これまで様々な研究結果を報告しております。
Kondo S, Takahashi E, Kato K, Takahashi S, Ikeda M. Secular trends in height and weight of Japanese pupils. Tohoku J Exp Med. 1978;126(3):203-13.
Ikeda M, Watanabe T, Koizumi A, Kumai M, Fujita H. Growth deceleration in Japanese schoolchildren with special reference to those in the city of Sendai. Tohoku J Exp Med. 1983;139(2):113-9.
Nakatsuka H, Ohashi M, Watanabe T, Ikeda M. Small, yet steady secular gain in height and weight of school children in the city of Sendai in past 15 years. Tohoku J Exp Med. 1988;156(4):341-50.
Nakatsuka H, Satoh H, Ikeda M. Growth reacceleration of school children in the city of Sendai, Japan. Tohoku J Exp Med. 1998;184(4):301-9.
黒川 修行, 佐藤 洋. 仙台市児童・生徒の身長・体重の年次推移について(1934年〜2001年まで). 学校保健研究,46: 543-553, 2004.
黒川 修行, 佐藤 洋. 仙台市の小学6年生の体位について−70年にわたる計測から−. 子どもと発育発達, 5: 220-222, 2008.
Kurokawa N, Nakai K, Suzuki K, Sakurai K, Shimada M, Kameo S, Nakatsuka H, Satoh H. Trends in Growth Status among Schoolchildren in Sendai, Japan, 1994-2003: Leveling-Off of Mean Body Height and Weight. Tohoku Journal of Experimental Medicine, 216: 371-375, 2008
Kurokawa N, Nakai K, Suzuki K, Sugawara N, Sakurai K, Ohba T, Shimada M, Kameo S, Nakatsuka H, Satoh H. Trends of body mass index distribution in schoolchildren in Sendai, Japan, 1989-2003. Obesity research & clinical practice, 3:21-27, 2009.
黒川 修行、佐藤 洋. 同一学年間における誕生月別にみた児童・生徒の身長・体重の関係. 学校保健研究, 51: 90-94, 2009
黒川 修行、佐藤 洋. 3つの肥満判定指標別にみた仙台市児童・生徒の肥満児の出現率について. 学校保健研究,51: 406-410, 2009.
Kurokawa N, Satoh H.: Recent trends of body mass index distribution among school chil-dren in Sendai, Japan: Decrease of the prevalence of overweight and obesity, 2003-2009. Obesity research & clinical practice 5:e1-e8, 2011.
黒川 修行, 佐藤 洋. 東日本大震災後の仙台市小学6年生の身長,体重,肥満および痩身傾向児の出現率(平成22年度~平成25年度について). 教育復興支援センター紀要3:73-77, 2015.
黒川 修行, 佐藤洋. 東日本大震災後の子ども達の体格の変化について : 平成22年度〜平成26年度. 教育復興支援センター紀要 4:25-29, 2016.
Kurokawa N. The experience of large earthquakes in Japan and impact on body physique in schoolchildren. The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine 7(1):15-18, 2018.
前述したように東北大学医学部衛生学教室で始まった調査ではありましたが、東北大学大学院医学系研究科環境保健医学分野(1999年4月〜2011年3月)に所属していた黒川が現在主な解析等を行っています。
本件(分析等を含め)に関してのお問い合わせは、黒川修行(n-kuro@staff.miyakyo-u.ac.jp)までお願いいたします。